2017年06月21日

三宅島トコロジスト養成講座のご報告

6月16、17日は三宅島トコロジスト養成講座(三宅村教育委員会主催)のため、
三宅島に出張していました。
この講座も今年度で3年目。
三宅島は、2000年噴火とその後の5年間の全島避難によって、
噴火前の島の暮らしの記憶が消えかかっています。
これからの島の未来を描くためにもう一度島の記憶を掘り起こそう
という趣旨で、2015年から三宅島トコロジスト養成講座がはじまりました。
(トコロジストとは、場所の専門家という意味。)

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今年度は、伊ケ谷地区がフィールドです。
みんなが関心を持っている「食」を切り口にしようということで、
三宅島の郷土料理にもよく使われる「ニガタケ」をテーマに
することにしました。

三宅島では、畑の周りにはニガタケが生えてきます。
アシタバもそうですがニガタケも島の中ではいたる所に生えてくる食材です。
6月はそのニガタケの旬の季節。
島の人たちは、どんなところで採取してどんな調理をして食べているのでしょうか?

6月16日に伊ケ谷コミュニティセンターに参加者の有志が集まり、
伊ケ谷老人会の皆さんにご指導をいただいて、
ニガタケの採取と下ごしらえを体験させていただきました。
まずは段ボール一杯のニガタケの皮むきです。
簡単なようですが、先端をポキっと折り、指でくるくるっと巻き付けて
皮をむくところがなかなかうまくいきません。
老人会の皆さんは僕たちの三倍くらいのスピードで皮をむき、
あっという間に段ボールが空になりました。
今回の調理方法は、醤油の煮物、酢みそ和え、塩辛和えの3種類の方法で
調理していただくことになりました。

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翌17日、講座の参加者が集まり、前日に下ごしらえしたニガタケ料理を
いただきます。
本土で食べる孟宗竹のタケノコと違って、ほんのりとした苦みが
大きな特徴です。

煮物、酢みそ和え、塩辛和えと味わってみると、本当に味わい深い。
しかも調理方法を変えるだけで本当に同じタケノコなのかと思うくらい
全く違う味になってしまうことにあらためて驚かされます。
ニガタケ料理をいただきながら、お話ししていると、
採ってくる場所、調理方法、子どものころの思い出など
ニガタケにまつわるいろんな話が飛び出してきて、
本当に賑やで楽しい試食会となりました。

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その後、あと半年くらいかけてニガタケのどんなことを調べるのか、
講座の参加者の皆さんと今後のことについて話し合いました。
その結果
「ニガタケはどんな場所に生えていて、どこで採取しているのか?」
を調べるグループと、
「伊ケ谷地区では、どんな調理方法があるのか」
を調べるグループに分かれました。
調べているうちに多少変わってくるかもしれませんが、
とりあえず7月からはこの二つのテーマでの活動がはじまります。
冬には、いつものように地域の人たちを招待して、
調べた結果の報告会を開きます。
どんな結果になるかとても楽しみです。


posted by 野鳥ひなこ at 10:18| トコロジスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月09日

ソウル市環境教育国際フォーラムに参加しました。

5月24日〜27日で韓国(ソウル)で行われた、環境教育国際フォーラムに出席しました。
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「トコロジスト〜自然観察からはじまる場所の専門家〜」を韓国語で翻訳された金美羅(キムミラ)さんが、上記イベントの実行委員だったことから声をかけていただいたことがそもそものきっかけでした。
会場では、日中韓の環境教育のネットワークを作ろうという目的のもと、日本だけでなく、中国、韓国から様々な韓国教育の取り組みが報告されました。
日本からは、当会の箱田が「温暖化時代の日本の環境教育」というテーマで、環境学習都市宣言を行った西宮市から「西宮市の環境学習の取り組み」というテーマで講演しました。
韓国、中国からもそれぞれ民間の環境学習の取り組みの事例が紹介されました。特に驚いたのは、中国で環境ビジネスの起業をサポートしているNPOの報告があったことです。
内容は環境にやさしい農業の支援や環境技術を生かしたビジネスの起業だったりしますが、97年ごろからそうした活動がおこなわれているとのことでした。
日本でも、地方で古民家を借りてそこを拠点に自然学校や地域のスモールビジネスを始める人が増えてきているという話をしたら大いに関心を持たれていました。
講演の後の懇親会では、何度かトコロジストのことが話題となり、韓国で環境教育にたずさわっている方の間で少しづつこの言葉が広まり始めていることを感じました。
環境教育において具体的な現場を持つことの大切さが韓国国内で見直されてきているということはとても心強いと思いました。


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 最後にこのフォーラムに合わせておこなわれた、ソウル市の「環境学習都市宣言」の式典の動画をご紹介します。この動画は、ソウル市のYoutubeアカウントにアップされたものです。

https://www.youtube.com/watch?v=mD4virbms1U


posted by 野鳥ひなこ at 12:24| トコロジスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月02日

「ツバメが巣を作った」

「ツバメが巣を作った---A湘南発祥の地編」

“ちょっと嬉しい事。今日はいいお天気”


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今回、「ツバメが巣を作った」のは、周辺の目まぐるしい変化を横目に、
凛とした雰囲気が漂う神奈川県の大磯町です。

ここに、夫婦と1匹のビーグル犬(クリス)で住み始めたのは8年前。
結婚して3年目の時でした。

「ツバメは…確か、2014年。初めて来たから嬉しくてSNSにアップしたの。」

そう話すのは大磯町出身、奥様のユカコさん。
そして、スマートフォンの画面を見せてくれました。
その投稿には、自宅近くの電線に止まるツバメの写真と共に、こんなコメントを載せていました。

”ちょっと嬉しい事。今日はいいお天気。我が家、ムクドリはよく来るけど、今年は初めてツバメが巣を作りに来ました。無事に卵から孵って巣立って欲しいな”  ------ユカコさんのSNSから引用


「この家を建ててから、いつか来てほしいなぁと思っていて、どうしたら巣を作ってくれるかなぁと
友人に聞いたりして、台とかも付けてみたけどなかなか来なくて…。
だから3年前に来たときは嬉しかったなぁ。」

空を見上げながらユカコさんは声を弾ませます。

「今年も作り始めている。二階の窓に近いから、その窓からちょっと覗いたら、
ツバメに怒られた!(笑)
だから、もう覗いてない。でも気になるの〜(笑)
まだ卵は産んでないのかなぁ。」

庭から自宅の外壁を覗きこむと、屋根の近いところに巣があります。

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「去年のやつに、足しているでしょ。色がちょっと違うよね。」
ツバメの巣がツートンカラー、去年の巣に高さを足しています。

「この辺りのお家は工夫していて、玄関に巣を作られるのはちょっとなぁ〜ってお家は
そこに来られないようにしていて。
でも家の外側はウエルカム!!みたいに、色々とあります。」

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ツバメが自宅に巣を作るようになってから、

「今まで何気なく歩いていたけど、こんなに鳥の声がするんだなぁ」

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と、愛犬の散歩中も気付く事が多いと二人は話してくれました。

「ここはね、横浜よりも30秒くらいゆっくりしている」 と笑うのは、ご主人のフミさん。

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以前、仕事の関係で2人は横浜市内に住んでいました。
忙しい日々…時には体調を崩すこともありました。
「お互いに心配をかけたくない…」
優しさが空回りする時期もありました。

“もう少し、のんびりした暮らしがしたい”
“愛犬のクリスが走り回れる所があったらなぁ”
“家を取り囲む庭があったらいいなぁ”
“縁側が欲しいなぁ”

そこで二人は、休日をどう過ごすかを考え始めたのです。
「通勤に時間はかかるけど、まぁ(電車に)乗ってしまえばね」と、
少し職場から離れたユカコさんの地元へ引っ越すことを決めました。

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「もちろん、(ツバメを)歓迎している人も、していない人もいるとは思うんだけど、
こんな風に戻って来てくれるなんて嬉しい。」

と、二人は言います。

たまたま出会った私たちとツバメ。
海風吹くここにも、やって来ました。
新緑の中、スイスイと飛ぶ姿は、私たちと同じように心地よい場所を探しているのかもしれません。

次の休日に、あなたも空を見上げてみませんか?

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posted by 野鳥ひなこ at 14:33| ツバメ2017 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする