2019年04月05日

今月の鳥「コチョウゲンボウ」


日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダー
掲載されている野鳥について紹介します。

今月の鳥は「コチョウゲンボウ」
圧縮_4月_コチョウゲンボウ_要トリミング.jpg
撮影者:森田 文三郎
撮影場所:埼玉県本庄市

コチョウゲンボウはその名のとおり、
身近な田畑や河川敷で見かけるチョウゲンボウよりも
ひとまわり小さな体をしています。
メスでもキジバトくらい、オスだとそれよりも小さいくらいです。

今から数年前、とある探鳥地に出かけたとき
同行者が「コチョウゲンボウが見られるかもね〜」と一言。
こ?こちょうげんぼう?
見たことがなかった私は、図鑑をめくりながら
「チョウゲンボウとどう違うの?」と質問しました。

「小さくて飛ぶのが早いからすぐわかるよ」

出ました!初心者には困る回答です。
2羽が並んで背比べしてるわけでもなく、
よーいどん!でどっちが早いか競争しているわけでもないのに
「そんなのわからんっ」と思いながら、草原を見つめること十数分…

左側からこちら目がけて
しゅぱーーーっと飛んでくる小さいもの。
「コチョウゲンボウだぁー」
見たこともないのに、きっとこの子だと思いました。
ハトよりも小さく見える猛禽が
私たちの目の前を飛び去って行きました。
いつも畑で電柱から飛び立ったり、獲物めがけてホバリング(停空飛行)しているチョウゲンボウとは、スピードも羽ばたきの早さも違って見えたのです。

その後、杭の上に止まった姿を望遠鏡でのぞくと
くりくりのまぁるい目、ちんまりした体型、
ミニチュアのタカみたいでかわいい…と、すっかりかわいさにやられてしまいました。

同行者いわく「小鳥ばっかり食べるんだよね〜」。
こんなにかわいいのに?小鳥を襲って食べる?
ちびっこのコチョウゲンボウ、かわいい顔してしっかり猛禽です。
そんなギャップも魅力のひとつ。
チョウゲンボウほど見やすい鳥ではありませんが、
冬になると、農耕地や草原に飛来します。電柱や杭にとまっているチョウゲンボウ、実はコチョウゲンボウじゃないかな?と観察してみてください。
posted by 野鳥ひなこ at 09:58| 今月の鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月07日

今月の鳥「ホオジロ」

日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに
掲載されている野鳥について紹介します。



3月_ホオジロ(2).jpg

「ホオジロ」撮影:西川智也(撮影地:神奈川県相模原市)

ホオジロと言えば、このカレンダーの写真のように、
目立つところにとまり、高らかにさえずる鳥。

広々とした草地に遠くまで響き渡る声は、春の風物詩です。

その一方で、春夏以外は、ヨシ原の中など目立たないところで、
「チチ」「チチチ」と鳴きます。
静かな場所で、耳をすまさないと分からないほどで、
さえずりとは似ても似つきません。

でも、私にとっては、さえずりよりも、ずっずっとホオジロを感じる声です。
その理由は、日本野鳥の会で働き始めた頃の経験にあります。

当時、私は、東京港野鳥公園でレンジャーをしていました。
園内で確認できた鳥を毎日記録することは仕事のひとつでした。

姿だけではなく、声でも鳥を識別できるように、
鳥の声を聞いては、
姿を確認できるまでしばらくその場で粘る、ということを
毎日毎日、繰り返しました。
声は聞こえるのに、どうしても姿が見えないことも多々ありました。

なかでも、難関だったのは、
冬場に枯れたヨシ原や茂みから聞こえる小さな「チッ…」という声です。
はじめは同じように聞こえましたが、よく聞いているうちに、
「チ」が一つだけの鳥と二つか三つ続く鳥、「ヂ」と濁る鳥など
何種類かいることが分かるように。

さらに、「声を聞いては姿を確認」を繰り返していたところ、
「チ」が、同じ音程で二つか三つ続くのはホオジロである、
ということを発見!
自分にとっては、世紀の大発見をした気分でした。

それを発見してからは、
「チチチ」と聞こえたからホオジロがいるかも?と
予想してから鳥の姿を確認し、
本当にホオジロが見つかると「やった」と、ひとり(心の中で)にんまり。

だから、わたしにとって、ホオジロの声と言えば「チチチ」なのです。


★ホオジロについてはこちら。さえずりも聞けます。
https://www.birdfan.net/pg/kind/ord17/fam1723/spe172302/


★★3/31まで、2020年版ワイルドバードカレンダーの写真を募集
詳しくはこちらのサイトから
https://www.wbsj.org/goods/calendar/


スタッフEでした。



posted by 野鳥ひなこ at 18:00| 今月の鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月31日

今月の鳥「アトリ」

日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに
掲載されている野鳥について紹介します。

今月の鳥「アトリ」
2月_アトリ.jpg
撮影場所 札幌市
撮影者 内藤 滋


アトリはスズメくらいの大きさの鳥で、
冬になると全国各地にやってくる冬鳥です。
東京都心部では、明治神宮や、新宿御苑等でも見ることができます。

「集まる鳥」が変化して「アトリ」になった
という説があるほど、群れになることの多い鳥です。
数年前には10〜20万羽の群れが飛来したこともあります。

この「群れる」習性が、私とアトリの初めての出会いに
ちょっとしたハプニングをうみました。

それは、忘れもしない、うっすらと雪が残る山道を歩いている時でした。


この山道は、初めていく場所で、
入口には「クマ出没注意」の看板がありました。

山道には「クマ出没注意」の看板が出ていることが多いので、
いつものように注意していけば良いと思ったのですが、
そこには、「●月●日この付近で目撃されました」と詳細情報が書かれていました。
それは、1週間ほど前の日付でした。

最近見られているから、少し気をつけた方がよいと
気を引き締めて歩き始めました。

しばらく奥へ進むと、また同じ看板が出てきて、今度はその5日前の日付が。

さらに、奥へ進むと、またまた同じ看板が出てきて、2日前の日付…。

立て続けにこんな看板を見せられたら、
バードウォッチングどころではありません。

すぐに引き返すことにしました。

心臓の鼓動が早くなり、
ヒザも震え、しっかり歩けません。

木の上の雪が落ちる音、
風で木が揺れる音…

耳に入る音、全てがクマと結びついていきます。


そんな時です、、、

山道脇の茂みが「ガサッ」と揺れたと思った瞬間
「ブワッ」と風を切る音がして、
思わず腰が抜けて尻もちをついてしまいました。

よく見ると、目の前には、たくさんの小鳥が飛び回っていました。

アトリの群れが一斉に飛び立った瞬間だったのです。

本来なら、初めて見る鳥で、こんな群れに遭遇したら大興奮するはずなのですが、
完全に力が抜けて、双眼鏡でのぞくこともできず、
ただただ飛び回るアトリを見ていました。

今になって思えば、私がアトリを見ていたというより、
私がアトリに見られていたといった方が適切かもしれません。

しばらくすると、アトリの群れは林の奥に消え、
あたりは静かになりました。



そんな出会いをした後、毎年のようにアトリを見ていますが、
あの時見たような大群には出会えていません。

アトリを見るたびに
「もう一度、あの時のような大群を見たい。
 でも、次は安心して見られる時に出てきてくれ」と願いながら見ています。


皆様からご応募いただいた写真の中から厳選して作る
日本野鳥の会ワイルドバード・カレンダー。
2019年版は好評発売中です。
https://www.birdshop.jp/fs/wildbird/c/gr343

WILD Sでした。
posted by 野鳥ひなこ at 14:22| 今月の鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする