2018年09月06日

今月の鳥「メジロ」

日本野鳥の会が発行する「ワイルドバード・カレンダー」
掲載されている野鳥について紹介します。
2018年9月の鳥はメジロ。

リサイズ_9月_メジロ.jpg
撮影:佐藤 恵美子/撮影地:北海道札幌市

メジロは、様々なグッズでモデルになることも多く、
探鳥会でも人気のあるかわいらしい鳥です。
スズメよりも一回り小さな体、薄緑色の体色、目の周りの白い輪、
「チー」という少し甘えたような声、
おまけに湯呑のような形をした小ぶりな巣。

そのどれをとってもマスコットのような
メジロの魅力を象徴しています。
そして、街路樹や生け垣など人の暮らしの中で
普通に見られる鳥だということも大きな魅力でしょう。

しかし、その愛らしい姿からは想像できないほど
暗い歴史を持った鳥でもあります。

昔から愛玩用として捕獲され飼われてきました。
約20年前になるでしょうか、横浜市の緑地の中のススキ原の中で、
鳥もちの罠の中にメジロの羽根がこびりついているのを
見付けたことがあります。
メジロの鳥もち猟は、ラジカセで声を流しておびき寄せ、
枝やススキに鳥もちを塗ってとまらせて捕獲します。
違反すると今では100万円以下の罰金に処せられる犯罪です。
鳥もちでメジロの捕獲なんて昔のこと・・・・・なんてとんでもありません。
今でも鳥もちは普通にインターネットで売買されています。

 もう一つメジロにまつわる思い出があります。
それは、私の自宅の周りでメジロがどんなところにいるのか
1q四方の範囲を歩き回って、メジロを見付けた場所を地図に落としてみたことがあります。
すると、公園や緑地などの森の中が最も多く、
その次に多かったのが、古い住宅地でした。

mejiro_map.jpg

古い住宅地には庭木が植えられていて、その庭木の枝先に巣を作っていました。
メジロは庭木に営巣することができるようになり
都市に順応してきた逞しい鳥でもあります。

 姿かたちのかわいらしさ、密漁の的にされてきた悲惨さ、
そして都市に順応してきた逞しさ。
そのどれもがメジロの持つ顔。

みなさんは、メジロの中にどんな顔を見ているでしょうか?


posted by 野鳥ひなこ at 11:55| 今月の鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月16日

今月の鳥「チョウゲンボウ」

日本野鳥の会が発行する「ワイルドバード・カレンダー」に
掲載されている野鳥について紹介します。
2018年8月の鳥はチョウゲンボウ。

8月_チョウゲンボウ.JPG
撮影:今 兼四郎/撮影地:青森県下北郡

くりくりとした大きな瞳がなんとも愛らしい、ハヤブサの仲間です。
チョウゲンボウの顔にはまるでチーターのような特徴的な黒い模様があります。
私も最近メイクを落とすと目の下から頬に掛けて垂直に伸びる真っ黒なクマがチョウゲンボウそっくりで親近感を覚えます👀
視力が良いという点も私と似ていてなんだか他人(他鳥)とは思えない存在です。

冬になると全国的に見られ、近年では都市部のビルや大きな橋に現れたこともありました。
日本野鳥の会の事務所がある五反田近くのビルにとまっていたという情報も…?
また、猛禽類と聞くと写真のような農耕地がある森や山岳地帯などの人目につかないところで繁殖しているイメージがありますがチョウゲンボウは街で繁殖を成功させたこともある、力強い一面もあるようです。

言い慣れていないと舌を噛んでしまいそうなチョウゲンボウという不思議な名前。
由来は様々で、定説は無いのですが ひとつ吉田金彦編著『語源事典動物編』に載っている話を紹介します。
「チョウゲンボウの繁殖地の多い北関東を中心とした一帯に、トンボの方言に
ゲンゲンボー、ゲンザンボ、ゲンボッポー、ケンザッポーなどがある。
チョウゲンボウを下から見上げるとヤンマトンボの滑空しているさまによく似ている。
そういう連想からチョウ(鳥)ゲンボー(トンボ)という意に解したのではなかろうか。」

同じハヤブサ科のハヤブサといえば時に時速300qという速さで加速、急降下アタックして大きな獲物を捕らえる姿が有名ですが、
チョウゲンボウは大空を飛びながら減速、ホバリング(停空飛翔)し高いところから見下ろしてネズミや虫などの小さな獲物を探します。
同じハヤブサの仲間でも獲物が違うと狩りの方法も違うのですね👀

ちょうど先週、六郷土手へツバメを観察しに行ったスタッフのひとりがチョウゲンボウに会ったそうです。
「頭上をくるくるとゆったり旋回している姿が綺麗でした。図鑑などで見る姿は茶色っぽいのに翼下面は白っぽい感じ。ハトより尾羽が長い。チョウゲンボウは一見ハトにも見えるので、結構見逃しているんだろうなぁ。」
と、話してくださりました。

皆さまの住む街でも、のんびりとキジバトサイズの小さな猛禽類が空を旋回していたらチョウゲンボウかもしれません。


posted by 野鳥ひなこ at 14:35| 今月の鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月20日

今月の鳥「ツバメ」

日本野鳥の会が発行する「ワイルドバード・カレンダー」
掲載されている野鳥について紹介します。

2018年7月の鳥は、ひなこのブログでも何度か取り上げている
身近な渡り鳥、春と夏の風物詩「ツバメ」。


リサイズ_7月_ツバメ.png
撮影:敷地 富士雄/撮影地:埼玉県上里町

家の軒先、はたまたパーキングエリアの一角まで。
巣作りして子育てをする様は”縁起が良い”と人々に見守られてきました。
「ツピッ」と鳴けば、”かわいいね”と誰かが言う、
なんとも愛され上手な野鳥です。

日本へ夏鳥として渡来するツバメ科の仲間には、いくつかの種類があります。
この写真のツバメは、二股の尾までいれた全長約17p(雄が雌より少し尾が長い)。
その小さななりで、南の国―台湾、マレーシアなどから
はるばる数千キロある海を飛び渡ってくると知ったときは驚きました。

ところで、先月末のとある夕刻。
空港近くのヨシ原から聞こえるオオヨシキリ(先月の鳥ですね)の
声を聴いていると、頭上を何羽かのツバメがサッサッと素早く飛んでいきました。
ヒナが巣立ち、秋に日本から去るまでの渡りに備えるため
集団で作るツバメの”ねぐら”がそこにあったようです。

暗がりの中を横切るツバメと飛行機の影、
なんとも印象的な風景でしたが、とても目で追いつけないほど速く飛ぶものです。
顔を見ることができたなら、写真のように颯爽とした顔が見えたのでしょうね。

ここで、他のスタッフに教わったツバメの飛翔に
まつわる言い伝えを一つご紹介します。

「ツバメが低く飛んだ次の日は雨が降る」・・

昔から伝わるこの謂れは、現代では
雨が降る前に湿度が高くなる→虫の羽が重くなって低く飛ぶ
ところをツバメが捕食する…とされています。

ツバメは、稲作を営む人々にとって、害虫を食べてくれる益鳥でも
あったといいます。身近な自然を観察する中で築いた知恵と思うと、
なんだか感慨深いです。

バードウォッチャーである私たちも、
今日出会うツバメを見て、何か新しい発見があれば面白いですね。
posted by 野鳥ひなこ at 10:03| 今月の鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする