2018年12月04日

今月の鳥「エナガ」

日本野鳥の会が発行する「ワイルドバード・カレンダー」
掲載されている野鳥について紹介します。
2018年12月の鳥はエナガ
12月_エナガ.JPG
撮影者:田中 かおり/撮影地:北海道札幌市
カレンダーのエナガは頭部が白い亜種シマエナガです。

エナガは全国に留鳥として分布。主に森林に生息しています。
最近は都市部でも林の中で見られるようになりました。
全長13.5p 体重6〜8g
エナガの姿を柄の長い柄杓(ひしゃく)に例えたのがエナガの名前の由来と言われており
全長のうち半分くらいは長い尾羽なので、体はスズメより小さい鳥です。
かわいらしいエナガの特徴のひとつである、ちょこんとした小さなくちばしは
小さなクモやアブラムシも上手に食べることができるのでとても便利です。

秋〜春は、10羽くらいの群れで生活し、わいわいと一緒に
仲良くエサ探しに飛び回る姿を見る事ができます。
ひとつの木に集まって一緒に食事をとる姿は、とてもかわいらしく癒されます。
繁殖期は他の種類よりすこし早めで、まだ寒い2月から巣作りを始めます。
巣が完成すると多くて12個ほどの卵を産み、雛が孵ると毎日親鳥は虫を捕まえて運びます。

エナガにはヘルパー行動(共同繁殖)がよく見られます。
これは親鳥以外の大人のエナガが子育てを手伝うというものです。
ヘルパー行動には、生存率が低いエナガが他の子育てを手伝うことによって
繁殖成功率をあげることができるという意味があります。
そして、この性質も高い割合で遺伝してきたものです。
また、繁殖に失敗した個体や群れの子孫のほかに 血縁のない他の縄張りからきたオスも
手伝いに加わることがあるということがわかっています。
ヘルパー行動は、昨年やその年生まれの若鳥が親鳥の子育てを手伝うことにより
経験を積むこともできるので 将来的にも自分の子育ての役に立つと言われています。

このように子育てを手伝う習慣は、バンやカケスなどの他の種類でも見られます。

エナガは、卵から孵って約20日で巣立ちを迎え
まだ寒さの残る早春の空に飛び立ちます。
その後無事に大人になれたエナガたちは、また群れを成して一年を過ごします。

エナガは日本中で普通に見られる鳥です。
私も春、とある埼玉県の緑豊かな公園でエナガを探しに行ったとき
ジュリジュリという特徴的な声をたどって一羽見つけると
近くに群れの仲間も見つけることができました。
小さくてすばしっこいので、バードウォッチング歴の浅い私ですとなかなか双眼鏡に
うまく収めることができませんでした。
その日のエナガは大忙しで、ホバリングしたり木をつっついたりする姿が
とても元気でたくましく感じました。
posted by 野鳥ひなこ at 14:39| 今月の鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月01日

今月の鳥「ミユビシギ」


日本野鳥の会が発行する「ワイルドバード・カレンダー」
掲載されている野鳥について紹介します。
2018年11月の鳥はミユビシギ。

リサイズ_11月_ミユビシギ.png
撮影者:青木 正男/撮影地:静岡県御前崎市

波打ち際で濡れないように遊ぶ子供たち。
浜辺をちょろちょろと走り回るミユビシギをはじめてみた時の印象です。

ミユビシギは、北極圏から南の国へ渡りをする渡り鳥。
日本には、春と秋の渡りの時期に立ち寄るとともに、冬の間もその姿をよく見かけます。

「指が3本のシギ」が名前の由来。日本鳥類目録の中に
「ミユビ」「ミツユビ」という名を持つ種類は、4種類います。
いずれも、同じ仲間は指が4本なのに、この種類だけは指が3本なので
「ミユビ」「ミツユビ」という名がついています。

千葉県の九十九里浜で、波打ち際をせわしなく走り回るミユビシギたちを観察していると、時々、小さな貝が飛び上がっていました。
よく観察してみると、どうも貝の足をくちばしでくわえて、
振り回し、ちぎって食べているようです。

2_飛んでる貝.jpg
撮影:横浜自然観察の森 奴賀レンジャー
★赤まるで囲んであるところに、飛び上がっている貝が写っています。

飛び上がって見えたのは、振り回され、足がちぎれた貝でした。
ちなみにこの「貝の足」は、斧足(ふそく)と呼ばれています。
刺身や寿司でお馴染みの「トリガイ」や「アオヤギ」としてよく食べられている部分です。

1_ミユビシギ拡大.jpg
撮影:横浜自然観察の森 奴賀レンジャー
★フジノハナガイを捕まえたミユビシギ。この後、振り回して足だけを食べる・・・。

そして、この貝ですが、「フジノハナガイ」という種類です。
小さなきれいな貝殻は「藤の花」のようです。
この貝は、波乗りをするように、波を利用して波打ち際を行ったり来たりします。
その時に、ミユビシギに捕まり、足をちぎられてしまうという
ちょっと寂しい貝なのでした。

残念ながら、フジノハナガイの写真が無いので、
ぜひインターネット等で検索してみてください。
動画もYouTubeで調べるとたくさんあります!

以上、スタッフTでした。

posted by 野鳥ひなこ at 13:22| 今月の鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月03日

今月の鳥「キビタキ」

日本野鳥の会が発行する「ワイルドバード・カレンダー」
掲載されている野鳥について紹介します。
2018年10月の鳥はキビタキ。

リサイズ_10月_キビタキ.jpg
撮影者:有賀 正英/撮影地:長野県茅野市

キビタキやオオルリなどのヒタキ類は、多くが夏鳥です。
日本では春に飛来し、山林で夏までに繁殖を終え、東南アジア方面に渡って冬を越します。
長距離の渡りは夜に行われますが、一晩で目的地に着けるわけではありません。
朝になると陸地に下りて食べたり、休んだりします。
そのため、春と秋には、渡り途中のキビタキやオオルリが身近な緑地にいることもあるのです。

 春に身近で見られる期間は、4月中旬から5月初旬頃まで。
水仙色が美しいキビタキのオスは、写真や図鑑で見るとすぐにわかるように
思われるかも知れませんが、大きさはスズメより小さいくらいだし、
茂った緑の中にいることが多いので、肉眼で探しだすのは簡単ではありません。
幸いなことに、オスは渡り途中からさえずり始めます
(さえずりは繁殖期にオスがメスを呼ぶ、なわばりを宣言するという意味がある)。

キビタキ特有のピッコロのように弾む歌声がわかれば、
それによって気づくことができるでしょう。
さえずらないメスの場合は色彩も地味で、なかなか目にすることはできません。
ただし、オスより渡りが遅い傾向があるので、5月中旬までは身近にいる可能性があります。

 秋の渡りの季節は9〜10月と、2ヶ月間に及びます。
が、繁殖を終えているのでオスもさえずってくれません。
メスのように地味な若鳥が多いこともあって、意識していないと見過ごすことが多いでしょう。
それでも、主食の飛翔性昆虫のほかに、木の実も食べるようになる点は、観察に有利です。
ハエやアブなどの虫を捕らえるために、茂みの中を飛び回っていることが多い春夏は、
なかなかじっくり見られません。

秋は、例えばミズキの木で待っていると、黒く熟した木の実を食べに、何度も続けて
姿を見せることがあります。そんな時は、とっても得した気持ちになれるし、身近な自然の大切さが実感できます。

 キビタキの体重は15グラムほど(スズメでおよそ20グラム強)ですが、
そんな小さな体で、これから海を越えて渡って行きます。
南の国までたどり着けないもの、そこで冬を越せないものもいるでしょうが、
生きのびたものは、春に再び北上してきてくれるはずです。
posted by 野鳥ひなこ at 17:23| 今月の鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする