2021年01月08日

近所でバードウォッチング 季節の見どころ案内_冬:水辺のカモたち 後編

一見、平和に見える水辺のカモたちですが、
彼らには、冬の間にオスとメスがペアになるという大事な
ミッションがあります。
そのため寒くなるにつれ、カモたちの動きは何やら活発になります。

ここでは、越冬地(日本)ならではの観察の楽しみをご案内します。

Q. オスとメスの見分け方は?

A. 一般的に、派手な方がオス、地味な方がメスです。
  秋に日本に渡ってきた当初は、オスもメスも同じような見た目ですが、
  晩秋には、オスは鮮やかな羽色(繁殖羽)に生え換わります。

ハシビロガモOB246270.JPG
▲ハシビロガモのオス(手前)、メス(奥)

ハシビロガモXC219475aT.jpg
▲ハシビロガモのオス(繁殖羽になる前)

Q. どうやってつがいになるの?

A. オスがメスにアピールし、メスに選んでもらいます。
  オスが繁殖羽になると、メスの周りを数羽で囲むように泳いだり、
  メスの近くで様々なポーズをとって、アピールします。
  この際、メスにはない羽の色や模様を目立たせていると言われています。

ホオジロガモD1212276aT.jpg
▲頭とおしりをくっつけるように首を反らせる

コガモM3252815.JPG
▲顎を引くようにのびあがる

メスがどのようにオスを選んでいるのか詳しいことは分かりませんが、
春に近づくころには、ペアが形成され、オスメスの2羽で行動する姿が
頻繁に見られるようになります。

これからの季節、オスの求愛や、ペアで行動する姿を見守ってみてください。

posted by 野鳥ひなこ at 11:45| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月05日

今月の鳥「エナガ」

日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに
掲載されている野鳥について紹介します。
2021年1月の鳥は、エナガです。

1月エナガ.JPG
撮影:上戸 鉄雄 / 撮影地:北海道札幌市

柄杓(ひしゃく)の柄(え)のように長い尾羽が特徴の野鳥です。
英名でもLong-tailed titとつけられているところから、英語圏の人も、尾羽の長さに注目したのでしょう。

今の季節、エナガは、シジュウカラやメジロ、コゲラといった他の種類の鳥たちと混群(こんぐん)という集団をつくります。
私が良く見るのは、全部で20〜30羽程度の集団です。集団で移動し、天敵を警戒しながら餌を食べます。混群は、必ずといってもいいほど、エナガの群れが最初に現れます。
チーチーチー、ツリリリ、ジュルリとエナガの賑やかな鳴き声が聞こえると、その場で立ち止まります。すると、エナガの群れがやってきて、枝から枝へ飛び回ります。しばらくすると、シジュウカラやメジロ、コゲラが後を追うように移動していきます。
混群が通過していく時は賑やかですが、去ったあとは、シーンと静かになります。
私は、この静かになる瞬間が好きです。
ぜひ、皆さんも、エナガの群れに遭遇したら、混群が通過するまでじっと観察してみてください。

また、エナガと言えば、巣がとても面白いです。
エナガの巣は苔をクモの糸でまとめて作られています。
大学時代、同期がエナガの巣について研究をしていたので、一度だけ触らせてもらう機会がありました。
よくもここまで綺麗に作るなぁと感心すると同時に、とても軽く、なんともいえない柔らかさが印象的でした。
柔軟剤のCMでふわふわタオルのイメージ映像が出てきますが、そんなものではなく、もっともっと、ふわふわしています。中には、羽毛がたくさん敷き詰められていて、自分がエナガだったら、ずっとその中で過ごしていたいと思うような環境でした。
そして大切な点としては、エナガが巣作りして、子育てをするためには、十分な量の苔とクモの巣、そして大量のエサ資源がないといけないという点です。逆に言えば、エナガがいるということは、それだけ豊かな自然があるということになります。

なお、今回の写真は、エナガの中でも、主に北海道にいるシマエナガです。真っ白な頭にクリクリとした目が愛らしく、その愛くるしさから、シマエナガをモチーフにした商品が多数販売されています。
シマエナガは北海道「だけ」にいると思われがちですが、東北地方では観察例が報告されていて、私も青森県で見たことがあります。
東北地方の方は、ぜひ頭の白いシマエナガを探してみてください。

WILD Sでした。
posted by 野鳥ひなこ at 11:35| 今月の鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月02日

今月の鳥「ヤマゲラ」

日本野鳥の会が発行するワイルドバード・カレンダーに
掲載されている野鳥について紹介します。
12月の鳥は、ヤマゲラです。
12月_ヤマゲラ.jpg
撮影:大野泰之 / 撮影地:北海道名寄市

緑色に見えるキツツキの仲間にアオゲラとヤマゲラがいますが、この2種で迷うことはありません。
ヤマゲラがいる北海道には、アオゲラがいないからです。

アオゲラは本州から屋久島まで低山、低地の林に普通です。
都市部でさえ公園などの緑地にいることもあるので、
本州以南のバードウォッチャーがヤマゲラに憧れても不思議はないのですが、
ヤマゲラを北方系のキツツキと思っている方が少なくないようです。
当会発行の『フィールドガイド日本の野鳥』https://www.birdshop.jp/fs/wildbird/gr365/gd3289
には種ごとの分布図があるので、それでヤマゲラの分布を見てみると、
日本では北海道だけですが、世界では中国や朝鮮半島にもいます。

私自身はヨーロッパや東南アジアでもヤマゲラを見たことがあるので、
ヤマゲラは大陸系のキツツキと考えています。
ちなみにアオゲラは日本以外にいない日本固有種で、英名はJapanese Green Woodpeckerです。

キツツキの仲間は木の幹の中の虫を主食とし、太い幹にいることが普通です。
写真のヤマゲラは珍しく、細い枝にとまっています(厳しい冬には木の実を食べることもある)が、
尾羽で体を支えているのはキツツキ科の常と言えましょう。

では、キツツキたちはどうやって糞をするのでしょう?
そのまま糞をしたら、尾羽が汚れてしまうのではないでしょうか?

これまで私が観察した例では、脱糞の瞬間だけ尾羽をあげる場合と、
糞をする時だけ体を横向きにしてとまり、糞を下に落とす場合とがありました。

以上、安西英明でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
皆さまにご応募いただいた写真12点からなる、
当会オリジナルの「ワイルドバード・カレンダー」。
2021年版は好評発売中です!
https://www.birdshop.jp/fs/wildbird/c/cal1/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



posted by 野鳥ひなこ at 10:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする